Lis. master's voice
Lis. master's voiceは、あの有名なスピーカーに耳を傾ける犬の絵に書かれた古典的なコピー、His master's voiceを少し捩ったものです。
このページでは、みなさんにお伝えしたり、お話ししたりしたいことを
少しずつ書いていこうと思いますので、どうぞおつきあい下さい。
| ■ Lis. master's voice 第851号 |
| Date: 2026年06月08日 (Mon) |
ジャズのテナー・サックス奏者、ソニー・ロリンズが5月25日亡く
なりましたね。95歳でした。
これで、
ルイ・アームストロング(69)、デューク・エリントン(75)、
チャーリー・パーカー(34)、マイルズ・デイヴィス(65)、
セロニアス・モンク(64)、ジョン・コルトレーン(40)等々
(もっともっといるのですが)、いわゆるジャズ・ジャイアンツ(巨
人)と呼ばれていた人々は、すべてこの世からいなくなってしまいま
した。
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)は、他の巨人たちに比べ、たい
へん長寿でした。上にあげたミュージシャンの名前の後の括弧書き
の数字は、それぞれの享年ですが、一番長生きをしたエリントンで
も75歳、その他は70未満で亡くなっています。(今さら、私より
若いことを実感!)
ロリンズは、多くのジャズ・ミュージシャンと同じく、若い時にかな
り麻薬から抜けられない時期があったので、当時のファンから「あの
男は長くない」などと囁かれていたようですが、何度かの挑戦でそこ
から抜け出し、体力作りをしっかりして長い音楽生活を送ったのです。
実は、私が最初に買ったジャズ・レコードはソニー・ロリンズのアル
バムでした。昭和50年(1975年)の夏のことだったと思います。
ジャズを聴き出して半年余り、当時実家のあった愛知県春日井市のレ
コード店で、ギター奏者、バーニー・ケッセルのアルバムとどちらに
しようかと迷った末に購入しました。
アルバム・タイトルは「ザ・カッティング・エッジ」(THE CUTTING
EDGE)。前年の1974年、モントルー・ジャズ・フェスティバル
におけるライヴ録音。当時新鋭のギタリスト、増尾好秋を迎えての乗
りの良い演奏でした。
私は、このアルバムを文字通り擦り切れるほど何度も聴き、その後
40年後くらいにCDで購入し直して、店でも何回かお掛けしたこと
があります。
そのレコード購入後しばらくしてから行き始めたジャズ喫茶、渋谷の
ジニアス(GENIUS)で、ソニー・ロリンズのいろいろなアルバムを
リクエストしていました。
そのうちに、その店の皿回し(レコードをかけてくれる人を、当時こ
んな呼び方をしていました)の男性の方が、私が店に入っていくと何
のリクエストもしないのに、必ずロリンズをかけてくれるようになり
ました。
それも、今まで私の聴いたことのないものばかりで、私が彼に向かっ
て無言で一礼すると、彼は「これは知らんだろう」と、今で言うド
ヤ顔を少し見せて頷いてくれるのです。彼のおかげで、ずいぶん多く
のロリンズのアルバムを聴くことができました。
そうやって、私はなんちゃっての域は出ないにしても、ロリンズ・
ファンになっていったのですが、彼のコンサートは一度だけ行ったこ
とがあります。
今は亡き新宿の厚生年金会館、1976年のことだったと思います。
ロリンズのバリバリ、モリモリの吹きっぷりと、ギターの増尾好秋
と、ベースのボブ・クランショーの演奏がたいへん印象に残っていま
す。
さて、先日のNHKFM、大友良英の「ジャズ・トゥナイト」でロリ
ンズの逝去により、かつて放送された彼の特集番組の再放送をしてい
ました。これを聴いていて「大友さんも、本当にロリンズ好きなのだ
なあ」というのが伝わってきて、とてもうれしく思いました。
番組の中の、テナー・サックスの両巨頭ロリンズとコルトレーンの、
最初で最後の競演「テナー・マッドネス」(Tenor Madness)は、も
う圧巻で「この音はどっちの?」と本当に楽しみながら聴けました。
また別の音楽ソースで聴きたいと思います。
私の知る限り、最後のジャズ・ジャイアント、ソニー・ロリンズのご
冥福を、心からお祈りしたいと思います。
昨日、関東甲信地方も梅雨入りが発表されましたね。自転車通勤を
するにはと少し面倒なのですが、農作物やいろいろな環境について
考えれば、雨は本当に大切ですから、必要量は降って欲しいと思い
ます。
みなさんも、お身体を大切にお過ごしください。それでは、See ya!