Lis. master's voice
Lis. master's voiceは、あの有名なスピーカーに耳を傾ける犬の絵に書かれた古典的なコピー、His master's voiceを少し捩ったものです。
このページでは、みなさんにお伝えしたり、お話ししたりしたいことを
少しずつ書いていこうと思いますので、どうぞおつきあい下さい。
■ Lis. master's voice 第788号 |
Date: 2024年09月08日 (Sun) |
先日の木曜日、9月5日は、1974年(昭和49年)に私が東京
に出てきてちょうど50年になった日でした。
今ほどではないですが、かなり暑い日でした。当時、実家が愛知県
の春日井市にあったので、東海道新幹線で上京してまいりました。
まったく東京の交通事情を理解していなかった私は、東京駅から新
宿駅まで中央線に乗り、新宿駅からは、西武新宿駅まで歩いて移動
しました。高田馬場駅が、国電と西武新宿線の乗り換え駅であるこ
とを知らなかったのです。
大きな旅行カバンと、ギター・ケースを抱え、左右をキョロキョロ
しながら歩きました。途中、歌舞伎町では「ここはとんでもない場
所のようだ。けっして呑み込まれてはいけない」と心に念じながら
通りました。実際は、その後2年くらいで自ら進んでこの街に呑み
込まれて行ったのですが・・・。
その年から25年後の1999年(平成11年)11月に、バー・
リズモアを開店いたしました。
周囲からは「君には向かないから止めておきなさい」という声が多
い中で、“蛮行”を断行いたしました。その時の43歳という年齢
は、当時は何かを始めるのにはかなり遅いと考えていましたが、今
思うと、やはり若く、実行する意欲があったのでしょう。
11月27日(土)にオープニングで知人に集まっていただき、
翌々日の29日(月)に本営業を開始しました。
そして、その年から25年後の今年(上京後50年)、11月30
日(土)で、バー・リズモアを閉店することにいたました。
人にも一生があるように、店にも同じことが言えると思うのです。
自由が丘で私の店は、その役割を終えた気がいたします。
日頃来ていただいているお客さんには既にお知らせしてありますが、
このコラムを読んで初めてご存知になった方もいらっしゃるでしょ
う。
今まで、たいへんお世話になりました。仕事の手が遅く、話も面白
くない三流バーマンが、25年店を続けさせていただいたのは、偏
にみなさん方の支えによるものです。深く感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
今は、後3ヵ月足らずの日々、元気にカウンターに立ち続けていこ
うと、それだけを考えております。そして、いつものように、みな
さんのご来店をお待ちしております。
朝晩はいくらか涼しくなり、何やらホッとしますね。ただ夏の疲れ
が出やすい時期なので、みなさん、くれぐれもお身体を大切にお過
ごしください。それでは、See ya!